サツマイモの親苗を使った育苗方法は、通常2~3月に加温した苗床に植え付け、ツル苗を増殖し、圃場に定植します。難しいと思われがちなポット苗を使った採苗は、ポイントを抑えると簡単にできます。
親苗からの育苗について
◎温度
サツマイモは寒さに弱く、ツルを出すためには十分な温度が必要です。苗づくりの時期はまだ気温が低いため、マルチやトンネル、ビニールの二重張りなどを利用し、温度を保つようにしましょう。また電熱線を使用するとさらに効果的です。培地温度を夜温は18℃以上、昼温は30℃以下で保てるよう設定します。
◎湿度
定植する前までに、ハウスの中を灌水し蒸らすようにします。乾燥していると苗が伸びにくくなる原因になるので、母株床は定植前しっかり湿らせておきます。夕方~夜の灌水は低温を招くため、避けてください。
◎定植時期と親苗本数
ポット苗の納期は2月上旬から3月中旬頃となります。1株より10~15本程度採苗できます。このため、圃場10aにツルを3,000本定植する場合、200本程度の親苗を目安として準備しましょう。
◎親苗到着後、赤根は取り除き定植します。
定植後の管理(関東の事例)
ハウス内に株間15~30 cmで定植します。地温の確保と乾燥を防ぐためマルチを張ります。
※灌水はこの時期3日に1回くらいのペース。
地温を確保するために、マルチやトンネル、二重ビニールの使用がおすすめです。
晴れた日は朝8時半頃にトンネルを外し、夕方4時~4時半頃にトンネルを張ります。
その日の天気・温度によって時間は前後します。
苗の主枝が伸びだした節から数えて8節以上になった時点で、上部をピンチします。
主枝をピンチすることで、わき芽が出やすくなります。
苗の長さは25 ㎝が目安となります。
定植します。
畝の高さ 約30cm 株間 48~50cm 畝間(通路) 約37cm→徳島3畝分が茨城2畝分
関東は、株間30~40cm
地温確保、雑草・乾燥対策のためマルチ張りをお勧めします。
定植直後は枯れたような症状がみられますが、10日ほど経過すると根が活着し、株が立ち上がってきます。
定植後の栽培は簡単ですが、立派なサツマイモにするためには、その年の天候により左右します
(ツル苗定植後の管理については、「サツマイモの栽培条件と生育」にご紹介させていただきます)。
気を付けていただきたい病害虫
◎育苗圃場での注意・ダニ・アブラムシ・オンシツコナジラミ
◎栽培圃場での注意・ダニ・ナカジロシタバ・センチュウ・コガネムシ類
更に詳しくはここにも掲載されています。
https://www.boujo.net/handbook-17