まだまだ日中は30℃越えで、虫の声がセミからコオロギに変わり、秋を感じさせる。
そろそろイチゴ苗の定植シーズンが近づいてきた。
サカグチがイチゴの七不思議の一つと思っているのは、あちこちの生産者から、「ヒガンバナが咲き始めたら定植適期」と聞くこと。
いろいろなところで「ヒガンバナ」が定植の目安になっているのは間違いない。
理由を調べてみたが、明確な答えがない。
ただヒガンバナは球根植物で、夏の高温で休眠打破され、その後ちょうど気温が下がってきたお彼岸のころに咲き、これとイチゴの花芽分化時期が合致していると考えられる。
花芽分化の話になりそうであったが、そうではなかった。
今回は正解のないテーマ、「葉かき」である。
「何枚、葉を残す」と、質問すると答えは百人百様。
それぞれの人には、それぞれの理屈があり、正解がない質問である。
前田・松本(2021)では、イチゴ品種「ゆめのか」の厳寒期における葉位別光合成寄与率が報告されている。
一番上の新しい葉を第1葉、一番下の古い葉を第10葉としたもので、光合成寄与率が第5葉では1枚で15%もあるにも関わず、第8葉から第10葉の3枚の合計でも15%の寄与率しかない。つまり、古い下葉は、光合成に対する貢献度が低い。
このように書くと7枚に仕立てればよいという結論になってしまう。
しかし、葉は栄養分を作る工場と考えると1枚でも多く残しておく方がよい。
どうしたらいいんだ。
頭を抱える。
取るの止めようか、いやでも取りたい。
当然、病気や害虫が着いているということであれば、即除去である。
必要最小限で最大の効果を出すためには・・・
サカグチはこのように考える。
葉が老化してくると、どういうわけがイチゴの葉は裏を向くようになる。
葉の裏にも葉緑素があるが、密度が低く、光合成効率は悪いはず。
サカグチは赤丸の葉を掻く。
また、葉掻きすることで、新葉の動きが促され、クラウンが太る。 このような葉掻きをすると、だいだい8枚程度残るような株になる。 少し物足りないような気もするが、いかがなものか。 また、葉かきする際に、1枚、2枚・・と数えいている時に、話しかけられて、「何枚だったけ」と忘れてしまう。 裏を向いた葉をとるという風にすると、話しかけられても大丈夫。 作業の指示もしやすいのでどうか。
みなさんの葉掻きのロジックはいかがでしょうか?
引用文献 前田衡 松本尚之. 2021. イチゴ「ゆめのか」における環境条件の違いと光合成特性. 長崎農林技セ研報. 第11号. 1-6.