次作もおいしいイチゴができますように

今回は裏話からであるが、サカグチは自分自身での情報収集もさることながら、
何人かの情報提供者(人数は秘密)を雇っており、常に最新の情報入手には余念がない。

情報提供者のうちの一人、Mr.Tから
「サカグッチー!いいネタが入ったんで使ってみないかい?」と連絡が入った。

情報をもらうのはいつもの場所。今回もそこで待ち合わせ。

常に忙しいMr.Tは、開口一番、

「なあサカグッチー、よく何事も「最後が大切」って言うけ・れ・ど、
高設栽培している人は、定植床の除塩つまり残肥対策で困っているのは知っているよね。
ちょうど5月末と言えば、昨年の9月に本圃の高設床に植え付け、収穫し続けたイチゴを片付ける時期だよね。
株を抜き取る前に「これを」すれば、次作でもうまくイチゴができるんだよ。

「これ」というのは、栽培を終了する前に、液肥の入っていないただの水道水を流してしばらく栽培する。
そうすると床の残肥をイチゴが吸ってくれる。
しばらくの栽培、つまり水道水を止めるタイミングはイチゴの葉の色が薄くなってくるころ。
葉の色が薄くなったということで、残肥がなくなったと判断する。
これってファイトレメディエーション(=植物が土壌中の汚染物質を吸収、分解する技術)の応用なんだよ。
イチゴ栽培の最後ははじまりかもしれないけどね。すっごく大切なんだ。」

と早口でまくしたてられた。

確かに面白い話だ。「使わせてほしい、それで報酬は」と話すと、
Mr.Tは、即言い始めるそぶりを見せたが、止め、うーんとずいぶん考えていた。

「これは「貸し」でいいかな。今は時期尚早で、もうちょっとしたら、やって欲しいことがあるから。
それまでの「貸し」でお願いする。」

何を要求されるのかは一抹の不安があるが、了承した。